マイケル・サンデル教授の言葉遊び 

 
 金曜日の22時から1時間余のNHKスペシャル番組「マイケル・サンデル 究極の選択」というのを見ました。ハーバード大学熱血授業の延長で、日米中の大学生を中継で結んでのディベート。今回のテーマは「テロ」でビンラーディンは殺しても正義か、テロリストに乗っ取られた旅客機を撃墜するのは正義か、アフガンで偵察隊が農民に出会ったとき、通告されるのを防ぐために殺していいかといったことでした。
 
 マイケル・サンデル教授が倫理の問題をポピュラーなものにした功績は大ですが、例によって御自身の意見は何も言わずに終わってしまうスタイルは、教師としてコアな部分の責任を放棄しているようで、だんだん内容の軽さが鼻についてきていましたが、今回はひどい。とうとう、やってしまったか、という感じです。

 いずれも実話をもとにした話で、思考実験というにはあまりに重い。それをニコニコと話すサンデル教授には、しょうじき、腹が立ってきましたね。

 アフガンで偵察の任務を帯びた4人の特殊部隊は結局、農民を殺さずに解放し、彼らが通報したかどうかはわからないけれど、攻撃されて3人が死亡、救出にきたヘリ部隊も10数人が死亡するという悲劇でした。
 中国の学生が言っていたけれど、このさいアメリカが引き上げることを考えるべきで、そんな事態を引き起こした責任も問われなければなりません。サンデル教授の問題提起は、状況を無視してプッツン、プッツンと単独に考えるもので、これは危険です。

 最後にテロリストを死刑に処すのは正義かどうか。これもねえ、テロリストの処刑と一般の殺人事件等についての死刑制度の是非を同列に論じるのは、もはや言葉遊び以外の何ものでもないですね。


NHKはそろそろサンデル教授でスペシャル番組を作るのを止めたらどうでしょうか。

ちょっと風邪をひいて1日だけ更新を休もうと思ったら、3か月以上になってしまいました。その間にも多くの方に訪問いただいたことに感謝します。

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コメント

私も番組を見ましたが、かなり違和感がありました。人間の尊厳を重視していましたが、私はテロがどうして起きるのか、という事の方が考えなければならないかと思いました。
時々は更新して下さい。

最近ツイッターでもお見かけしないのでどうされたのかと案じていました。お元気なご様子で安心しました。(^^)

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