石鍋真澄「フィレンツェの世紀」刊行 

今日、事務所の郵便受けにどっしりと重みのある封筒が平凡社から届きました。

封をあけると、やはり石鍋真澄著『フィレンツェの世紀 ルネサンス美術とパトロンの物語』でした。

石鍋真澄さんは大学時代、『山猫』という同人誌を出していた仲間です。彼は美学でイタリア美術を専攻。これまで多くの著書・編書がありますが、その集大成ともいうべき、しかし、テーマを明確にしぼっての意欲作が本書です。
 イタリアのルネサンスの中心地フィレンツェ、そこのメディチ家といったことは、私には昔、世界史の教科書で習ったレベルを出ていないけれど、別記の目次に見られるように、美術の視点から社会史に展開されているので興味深い。いったい「共和制」なるものも不思議なことではないですか?

フィレンツェの世紀_convert_20130415211400
平凡社 A5版520ページ 5400円+税
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以下「プロローグ」より

 美術史は通常、美術家と美術作品の様式や図像を中心に語られる。これに対して、本書はパトロンと社会をキーワードとする美術史の試みである。
(中略)
ルネサンスの美術様式や芸術概念の形成は、新しいタイプのパトロンの誕生とと並行するものであった。したがって、パトロンについて知ることなしに、15世紀フィレンツェ美術を真に理解することはできない。


以下「目次」
プロローグ
第Ⅰ部 都市国家
第1章 四人のフィレンツェ市民──イントロダクション
第2章 文明のゆりかご──都市
第3章 政治の仕組み──共和国
第4章 税と結婚──エリート市民

第Ⅱ部 メディチ以前 1400−1434年
第5章 事実と神話──1401年のコンクール
第6章 ブルネッレスキの栄光──クーポラの建設
第7章 フィレンツェの光と影──イカノチェンティ捨子養育院
第8章 ギルドの殿堂──オルサンミケーレの彫刻
第9章 コジモのライヴァル──パッラ・ストロッツィ
第10章 幸運の人──フェリーチェ・プランカッチ

第Ⅲ部 コジモ・デ・メディチの時代 1434-1469年
第11章 パトロンたちの代弁者──ジョヴァンニ・ルチェッライ
第12章 最も富裕なイタリア人──コジモ・デ・メディチ1
第13章 第一の市民 ──コジモ・デ・メディチ2
第14章 美術のパトロン──コジモ・デ・メディチ3
第15章 変化の時代──ピエロ・デ・メディチ
第16章 偶然の贈り物──ポルトガル枢機卿礼拝堂

第Ⅳ部 ロレンツォ・デ・メディチの時代 1469-1500年
第17章 工房のボス──ロレンツォ・デ・メディチ1
第18章 コレクター魂──ロレンツォ・デ・メディチ2
第19章 建築への情熱──ロレンツォ・デ・メディチ3
第20章 メディチの友──フランチェスコ・サセッティ
第21章 結婚と美術──ジョヴァンニ・トルナプオーニと息子ロレンツォ
第22章 アウトサイダーの意地──フィリッポ・ストロッツィ
エピローグ

(大角修)

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